会社を経営するにあたって必要不可欠な経理業務ですが、作業の進め方を前任者が作成したマニュアルに頼っている事例も多く、業務が複雑化している可能性があります。
非効率な業務をしていると会社の生産性にも影響するため、早急に改善の検討が必要でしょう。
本記事では経理業務が複雑化しやすい原因や解消する方法、業務の複雑化を解消することのメリットを紹介します。
経理業務の外注におすすめのシステムも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
Contents
経理業務が複雑化する要因・課題とは?
経理業務が複雑化する原因はさまざまですが、主なものを挙げると以下の3つが考えられます。
- 専門的な知識が必要で属人化しやすい
- ほかの仕事に比べて業務量が多い
- 法改正への対応が必須
経理業務が複雑化しやすい3つの原因について、詳細をみていきましょう。
専門的な知識が必要で属人化しやすい
経理業務を担当するには簿記の知識はもちろん、税務や資金繰りなどさまざまな知識が求められます。そのため、専門知識を持った特定の人材でないと業務に携わることが難しいのが実情です。
担当者が仕事を覚えるには「前任者の引継ぎやマニュアル」に頼ることになり、ほかの誰も効率的な進め方を知らないことで仕事が複雑化する可能性もあります。
また、業務内容が複雑かつ不透明になることは、経理業務の不正につながることも考えられるでしょう。
健全かつ効率的な企業運営のためには、属人化しない仕組みを考えることが重要です。
ほかの仕事に比べて業務量が多い
ひとくちに経理業務といっても、お金の入出金や給与支払い、決算業務など多種多様な業務を抱える部門です。
仕事量が圧倒的に少なくなるということはあまりなく、1年を通してさまざまな仕事を一定量こなすことが求められます。
なかでも「月次決算」「年末調整」「年次決算」など重要な仕事をする際は、ほかの営業部や製造部などの他部署よりも終業時刻が遅くなることも珍しくありません。
数多くの業務があること自体が、経理業務を複雑にしている要因として考えられます。
法改正への対応が必須
経理業務の担当者は、税法や会計基準などが改正されると、最新ルールに沿って業務を遂行することが求められます。
例えば、領収書や請求書などを電子データで取引した場合には、紙での保存が原則できなくなるように「電子帳簿保存法」の改正がおこなわれました。
経理課においても、取引する資料の保存方法や保存場所などの業務フローを再考する必要性に迫られています。
このように最新の法改正に対応する業務は定期的に発生する可能性があり、通常業務と並行して法令順守の準備を進めることで業務が複雑化することが考えられます。
経理業務の複雑化を解消する方法
経理業務がすでに複雑化してしまっている場合、生産性の悪化を防ぐためにも早急に経理業務の効率化に着手したほうが良いでしょう。
経理業務を効率化させる方法としては、主に以下の2つが考えられます。
経理業務のフローを見直してみる
経理業務を効率化するには、現状の業務内容をすべて洗い出してみることも重要です。
毎日仕事をしていると気づかないとしても、あらためて見直してみると「複雑になっていて処理に時間がかかる仕事」や「もっと効率化できるのに着手できていなかった仕事」などを知ることができます。
すべての業務を洗い出すのは大変ですが、複数人いれば業務や取引ごとに割り振れば効率的に見直しを進められます。
見直す際は可能な限り業務を細分化して複雑化している無駄な業務を見つけましょう。
経理のアウトソーシングを利用する
会社の規模によっては、自社だけで経理業務を完結させるよりも、アウトソーシング(外注)することで業務を効率化できる可能性があります。
アウトソーシングをすると経理業務のプロに自社の経理を代行してもらえるため、自社の社員がおこなうよりも効率的に業務を進められることが考えられます。
また、最新の法改正にも自動的に対応してくれるため、対応を間違えてペナルティを受けるリスクを低減することも可能です。
経理業務の複雑化を解消することのメリット3つ
経理業務を効率化することで、以下のようなメリットがあります。
- コストの削減につながる
- ほかのコア業務に集中できる
- 経営判断のスピードが早くなる
ここでは、経理業務の効率化を達成したときに得られるメリットの詳細をみていきましょう。
コストの削減につながる
経理業務の複雑化を解消することの大きなメリットとして、コスト削減につながることが挙げられます。
例えば業務が複雑なばかりに複数人で対応していた仕事がある場合。業務の複雑化を解消して1人で対応できるようになれば、そこに充てる人員を別の業務に充てることができます。
経理業務全体を効率化できれば、経理部門の人件費の削減も可能です。
また、業務を効率化してクラウド上で運用したり電子化したりすることで、紙の印刷代や郵送の切手代にかかる費用を節約できます。
ほかのコア業務に集中できる
定型業務を自動化したり、複雑な業務を簡略化したりすることで、売り上げに直結しやすいコア業務に人員を充てられるようになります。
例えば仕分けや記帳にかかっていた時間が短縮され、入力データの分析やそれをもとにした経営戦略の策定などの時間を長く確保することが可能です。
また、経理業務の人員を営業部や製造部に配置転換し、生産性の向上を目指すこともできるでしょう。
経営判断のスピードが早くなる
経理業務を簡略化すると会計のデータをリアルタイムで確認できるようになり、正確で新しいデータをもとにして迅速に意思決定が可能になります。
経理業務の複雑化を解消できる経理代行サービス「クラソリュ」とは?
経理業務の複雑化を解消する方法にはいくつかの方法がありますが、今回は経理代行サービス「クラソリュ」の導入について紹介します。経理システムやAIを活用した業務に加えて、導入や運用サポートを人の手でおこなうことで、効率的かつスマートに業務を進めてくれます。
クラソリュはクラウド会計サービスを活用することで、管理業務の負担を軽減できる経理代行サービスです。
【クラソリュで対応してくれる内容】
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経理担当がおこなう一般的な業務はほぼすべて代行してくれるため、人件費の削減やコア業務に集中できるといったメリットがあります。すべての業務代行だけでなく、一部のみの外注も可能なので、会社の経理部の状況に応じて柔軟にサービス内容を決定できます。
クラソリュのスタッフは熟練の経理担当で構成されており、会社内の経理が急に退職してしまったようなときでも、あらゆる業務を高水準で担ってくれます。依頼すれば常にベテランの経理担当に業務を外注できるため、自社の経理部門の人員不足で迷うこともなくなります。
またクラソリュは業務にAIを活用することも特徴です。依頼した会社にクラウド会計を導入したうえでAI機能を最大限に活かし、企業担当者がすぐに手に入れたい試算表を正確かつスピーディに提供してもらうことが可能になります。
まとめ
経理業務は属人化しやすい点が問題として考えられ、会社によっては1人が休むだけで業務が回らなくなったり、複雑化している業務を複数人で対応したりしているケースも考えられます。
業務を効率化するならまずは経理の業務をすべて書き出し、無駄な業務がないかを考えてみることから始めると良いでしょう。
自社だけで解決が難しい場合は、会計ソフトの導入や経理業務の外注など外部の企業と連携しての解決を検討しましょう。
例えば「クラソリュ」は企業にクラウド会計とAIを導入することで、試算表を早期に作成してスピーディな経営判断に活かすことができます。
監修者
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甲田拓也 (公認会計士税理士甲田拓也事務所 代表)
早稲田大学卒業後、PwCグローバルファームや個人会計事務所を経て現事務所を設立。節税、資金繰り、IPO・マーケ支援を行うプロ会計士として活動。YouTubeでも情報発信中! |